こんな人たちのための情報です
これから管理職になるが何を期待されているのか、今までと何が違うのか、どうすればいいのか漠然としか分からず整理したい人、すでに管理職であるが、今の仕事の仕方で果たしていいのか確認したい人のための情報です。
管理者の役割とは
管理者の役割は企業目標を達成するために所与の「組織」を前提とし、経営の日常的「運営」を行うことです。
企業目標は重層的です。経営理念、年度目標、組織、規範やルール
企業は独自の目的を持っています。その目的に向かって達成すべき目標が目標が設定されます。目標を達成するために組織があり、円滑な組織運営のために規範やルールがあります。
図動画
チェック 以下の内容は管理者として当然認識しておくものです。
・企業の目的は「ビジョン」や「経営理念」などに表現されています。自社の目的は?
・目標は「中期計画」や「年度目標」に書かれています。自社の目標は?
・目標達成のために新たな組織を作ったり、統廃合をします。自社全体の組織を把握していますか。
・組織を運営するために規範やルールがあります。基本は「就業規則」です。就業規則の内容を把握しています。
目標達成の3つのフェーズ 図参照 動画
フェーズ1 全社目標を部門目標や個人目標にブレークダウンする。
戦略目標や全社目標をよく理解し、部門目標や個人目標に落とし込みます。
フェーズ2 目標達成のために行動する。 日常管理 図参照
管理者の日常の仕事です。組織を通じて目標達成をします。
フェーズ3 仕事の出来映えを評価する。
「人事考課」だけでなく、日常的に仕事の出来映えを評価することが大切です。
図
チェック 「程度」が重要です。5段階くらいで評価してみましょう。
・全社戦略や目標を理よく理解した上で自部門の戦略や目標を立て、部下の目標を設定していますか。
・部下はもちろん、上司や同僚とも協調して目標達成に努めていますか。
具体例→会議やプレゼンテーション、部下との面談などを効果的に行っていますか。
・日常的に部下の仕事ぶりをフィードバックしていますか。納得性の高い人事考課ができていますか。
Tips 組織成立の条件 バーナード 管理職は組織の長として組織をまとめ、牽引していくことが求められます。
1)共通目標 ・・・ベクトルを揃える
2)貢献意欲 ・・・One for all,All for one
3)コミュニケーション・・・風通しの良い組織
所与の組織を前提として、日常的運営を行う
従業員が何万人もいるような巨大組織もあれば、数十人程度の組織もあり「組織」という言葉で一括りではなく、それぞれの特徴を理解することで、運営についてのヒントが得られます。組織の発展段階を考えてると、最初は少人数でスタートします。気心の知れた仲間同士なので「組織」は必要ないのですが、従業員が増えるに従ってそれぞれの想いや考えだけでは業務遂行の段階で摩擦や齟齬が生じ始めます。業種や業態にもよりますが50人〜200人くらいになると組織に関する一定の知識を身につけた方が組織運営が円滑にできます。
二つの組織観
組織は、上司が部下を指示する「縦の関係(垂直型組織観)」であり、いわゆる階層組織です。もうひとつは各部門が連携しながら仕事を進める「横の関係(水平型組織観)」であり、チームのようなイメージです。実際の組織運営は自社の組織をどのように捉えるかにより、管理者の運営方法が違ってきます。
図
階層組織
実際の企業にはいくつかの階層があります。比較的小さな組織では”全員がフラット”と言う場合もありますが、それでもトップはいます。偉い人、下っ端というような認識では組織運営に齟齬がでます。価各階層にはそれぞれに役割があります。大掴みで理解することで管理者に役割の理解が深まります。
図 解説
管理者の3つの役割、連結ピンの役割
経営者に求められる特性、管理者に求められる特性
トップマネジメントの職務には「個性的、創造的」な性格が強く求められます。企業環境の洞察力、独創的な戦略の立案能力、組織全体を統合しながら指揮する能力など、いずれをとっても強い個性と独創的な能力がその職務の本性上求められます。
ミドルマネジメントは個性的であると同時に「標準的」であることが求められます。その理由は組織を通じて日常管理を行うのでその仕事ぶりが組織運営の「基本や原則」に則していることが求められます。
チェック
チェック
・「組織」に関して知識がありますか。今まで研修を受けたり、勉強をしたことがありますか。
・組織運営の原則を知っていますか。
・あなたの仕事ぶりは組織運営の基本や原則に則していますか。個性的過ぎていませんか。
例えば、部下への指示の仕方は「基本や原則」に則していますか。我流ではありませんか。
階層組織運営の5原則
実際の仕事では原則がそのまま適応できない場合は多々あります。また、現実が原則から逸脱しているからと言って必ずしも問題であるとは言えません。原則を理解し、その上で現実に適切に対処、適応することが求められます。
解説
1.目的の原則
1)組織は協働して達成すべき明確な目的を持たなくてはなりません。
2)組織は目的の達成に役立つものでなくてはなりません。
2.専門化の原則
1)専門化の原則は各構成員が出来るだけ単一の専門化した業務活動をすることです。
2)職務の割当を行うに当たって、専門化の原則に出来るだけ従わなければなりません。
3)専門化によって各人は職務の遂行に必要な専門的知識と熟練が容易に得られ、組織の能率が促進されます。
3.命令統一の原則
1)一人の人は命令のライン(指示命令系統)に従って、常に一人の上司から命令を受けるようにしなければなりません。
2)一人の人が二人以上の上司から命令を受けると、命令の矛盾が生じたりして混乱が生じます。上司と部下の関係が不明確で、責任の所在が曖昧になります。
4.管理の幅の原則
1)一人の上司が直接に指揮監督できる部下の数には限界があります。
2)管理の幅が広すぎると、コミュニケーションが困難となり、調整や統制が難しくなります。
5.権限と責任の原則
1)権限と責任は明確に規定しなくてはなりません。
2)権限と責任は対応しなくてはなりません。
3)各職位の間の権限、責任関係を明確にしなければならなりません。
参考 プロジェクトチームの原則
日常のマネジメント
管理職の日常の組織運営です。2〜4がうまくできるように上司は部下を指導します。
1.部下に指示・命令をする 部下の意欲・能力によって命令の内容や頻度を工夫します。
指示・命令の基本手順
2.部下が指示を受けます 部下に「指示の受け方」を指導します。
指示の受け方の基本手順
3.部下が指示を遂行します。 部下に「業務遂行=PDCAの仕方」を指導します。
PDCAの手順
4.部下が上司に報告する 「報告の仕方」を指導します。
管理者と一般社員のPDCAはどこが違うのか
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